冷たくて手軽に調理でき、夏になると食べたくなるそうめん。
細くてつるっとしたのど越しで、特に真夏の食欲が無い時に重宝する食材です。
一見、ヘルシーそうに感じますが、そうめんを食べると太ると聞いたことはありませんか。
今回は、太ると言われる理由と太らない食べ方をご紹介します。
そうめんが太ると言われる理由
糖質の摂り過ぎ
そうめんは主に炭水化物である糖質が主成分です。
摂取する糖質量が過剰になると、血糖値が急上昇し、インシュリンの分泌が増えることで体内のエネルギーが脂肪として蓄積されるリスクが高まります。
特に精製されたそうめんは、体内に素早く吸収されて血糖値を急上昇させる可能性があります。糖質を摂り過ぎないように、そうめんを食べる際は適量を守ることが重要です。
そうめん単体で食べる
そうめんは主に炭水化物が含まれており、たんぱく質や脂質、食物繊維が不足しやすい食品です。
単体での食事では、満腹感を得るのに時間がかかり、食べ過ぎの原因となることがあります。
そうめんを食べる際は、たんぱく質を含む食材や野菜、脂質を含む食品と組み合わせることで、栄養バランスを整えるよう心掛けましょう。
よく噛まないで食べてしまう
そうめんは細くて柔らかいため、咀嚼する必要が少ないと感じるかもしれませんが、食べ物をよく噛むことは消化・吸収に重要です。
よく噛むことで唾液の分泌が促進され、食べ物が細かくなって胃での消化がスムーズに行われます。
適切な咀嚼が行われないと、満腹感を得るのに時間がかかり、結果的に過食の可能性が高まります。
そうめんを食べる際は、ゆっくりと噛んで食事を楽しむことが大切です。
冷たいそうめんを食べる
冷たいそうめんを食べると、胃腸の働きが鈍くなりがちです。
消化吸収が遅れることで、満腹感を得にくくなり、食べ過ぎの原因となることがあります。
食べ過ぎによるカロリー過多
麺類の100g(ほぼ1人前)あたりのカロリーを見てみましょう。
重量 | カロリー | 炭水化物 | 糖質 | |
そうめん(乾麺) | 100g | 333kcal | 72.7g | 70.2g |
うどん(乾麺) | 100g | 333kcal | 71.9g | 69.5g |
そば(乾麺) | 100g | 344kcal | 66.7g | 63.0g |
スパゲッティー(乾麺) | 100g | 347kcal | 73.1g | 67.7g |
ご飯(白米) | 150g | 234kcal | 55.65g | 53.4g |
そうめんは、ご飯(茶碗1杯150g)と比べるとカロリー、糖質は高めです。
他麺類とカロリーの差はほとんどありません。
ご飯(白米)に比べると高カロリーであるため、適量ならば太りにくい食品ですが、食べ過ぎるとカロリー過多になります。
摂取したカロリーが消費カロリーよりも多い場合は、余分なエネルギーが脂肪として蓄積され、体重が増える原因となります。
食べる際は適切な量を意識し、カロリーコントロールを心掛けることが重要です。
また、食べ過ぎを防ぐために、食事をゆっくりと楽しむことや満腹感を確認することが大切です。
太らないおすすめの食べ方
たんぱく質や食物繊維を豊富に含む野菜や焼き魚などを組み合わせる
そうめんを食べる際に付け合わせを工夫しましょう。
そうめんには、たんぱく質、食物繊維が不足しています。
「日本人の食事摂取基準(2020版)」によると、
一日に必要なたんぱく質の推奨量は、18~64歳の男性は65g、65歳以上の男性は60g、18歳以上の女性は一日50gとなっています。
食物繊維の現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量は、18~64歳で男性21g以上、女性18g以上となっています。
重量 | たんぱく質 | 食物繊維 | 炭水化物 | |
そうめん(乾麺) | 100g | 9.5g | 2.5g | 72.7g |
たんぱく質や食物繊維を豊富に含む野菜やお豆腐、納豆、焼き魚などを組み合わせることで、栄養バランスを整えることができます。
- 野菜と海苔の冷やし和風そうめん
冷やしそうめんに、細切りの野菜(きゅうり、トマト、アボカドなど)や海苔をトッピングします。低カロリーで栄養豊富な野菜をたっぷりと摂ることができます。 - ひじきと大豆のサラダそうめん
ひじきや茹でた大豆を、冷やしそうめんの上にトッピングします。食物繊維やたんぱく質が豊富で、満腹感を得やすい組み合わせです。 - 茶碗蒸し風そうめん
そうめんを器に盛り、茶碗蒸しの具材(鶏肉、卵、椎茸など)を乗せていただく軽食です。栄養豊富でヘルシーな茶碗蒸しの味わいを楽しむことができます。 - ほうれん草と豆腐のおろしポン酢そうめん
茹でたほうれん草と細切りの豆腐を、そうめんにのせておろしポン酢をかけます。ヘルシーな食材であるほうれん草と豆腐を組み合わせ、さっぱりとした味わいを楽しむことができます。
温かいスープやおかずと一緒に取る
冷たいそうめんを食べる際には、温かいスープやおかずと一緒に摂ることをおすすめします。
温かい食品を摂ることで、胃腸の動きが活発化し、消化吸収がスムーズに行われます。
- お味噌汁
具材として、わかめ、豆腐、葱などを加えるとバランスの良いお味噌汁になります。 - 鶏ガラスープ
鶏ガラからとったスープに、野菜やキノコを加えて栄養豊富なスープに仕上げましょう。 - 冷奴汁
豆腐を温かいだしで温めたスープで食べると、さっぱりとした味わいになります
- グリル野菜
色とりどりの野菜をオリーブオイルや塩コショウで焼いて、そうめんと一緒に食べると栄養豊富な食事になります。 - 鶏肉の照り焼き
鶏肉を照り焼きソースで炒めて、そうめんのトッピングとしても楽しめます。 - お浸し
ほうれん草や小松菜などの野菜を茹でて、だしやめんつゆで味付けしたお浸しは、そうめんと相性抜群です。
にゅうめんにして食べる
冷たいそうめんを食べると、胃腸の働きが鈍くなりがちです。
そうめんを温かく煮た「にゅうめん」にすることで、胃腸の動きが活発化し、消化吸収がスムーズに行われ、満腹感が得られやすくなります。
あんかけ卵、きのこ、鶏肉、ねぎなど具材を入れることで、栄養バランスもよくなります。
全粒粉そうめんを選ぶ
そうめんにトッピングする料理をつくる時間がない時や暑くて冷たいそうめんを食べたい場合は、全粒粉そうめんがおすすめです。
精製されたそうめんは、血糖値を急上昇させやすい傾向があります。
代わりに全粒粉そうめんを選ぶことで、血糖値の急激な上昇を抑えることができ、体重管理にも役立ちます。
一般的なそうめんは、小麦の中でも主に「中力粉」と呼ばれる精製された小麦粉を使用して作られています。
中力粉は、小麦の胚芽や外皮を取り除いて精製された粉です。
一方、全粒粉は小麦の胚芽、外皮、内皮(ふすま)をすべて含んだままの粉であり、精製されていない状態です。
全粒粉そうめんは、そうめんを作る際に中力粉の代わりに全粒粉を使用しているため、栄養価が高くなります。
全粒粉には食物繊維やビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれているため、消化吸収がゆっくり行われ、血糖値の急上昇を抑える効果が期待できます。
よく噛む
ゆっくりと噛むことを意識しましょう。
よく噛むことで、唾液の分泌が促進され、食物が細かくなり胃腸の消化吸収がスムーズに行われます。
食事を急いで食べずに時間をかけて食べることで、満腹感を得るのに適切な量で食べることができます。
食事を楽しむ時間を大切にすることで、過食を防ぐことができます。
まとめ
そうめんは一般的に低カロリーであるため、適切な量を食べれば太りにくい食品です。
しかし、太ると言われる理由もいくつかあります。
糖質を摂り過ぎている、よく噛まずに食べる、そうめんばかり食べる、そうめん単体で食べる、冷たい状態で食べる、食べ過ぎによるカロリー過多が挙げられます。
そうめんを太らない食べ方として、以下のポイントを押さえましょう。まず、適切な量を意識し、満腹感を得るのに十分な量を摂ることが大切です。
また、野菜を添えたり、タンパク質を摂ることで、栄養バランスを整えることができます。
カロリーを抑えたたれを選んだり、温かいスープやおかずと一緒に食べることもおすすめです。さらに、ゆっくりと食事を楽しむことで、過食を防ぐことができます。
値段は高くなりますが、食物繊維やビタミンが豊富に含まれる全粒粉そうめんを選ぶのもよいでしょう。
太らないようにするためには、食べる量や食べ方に気を配り、栄養バランスの良い食事を心掛けることが重要です。そうめんを美味しく楽しむためにも、バランスの取れた食べ方を意識してみましょう。